独立する際に最初に迷ったのが自分の単価の決め方。
材料費などの経費がほぼかからないエンジニアリングの仕事は、単価を決めるのが正直言って難しいです。
私は2018年の4月にフリーランスのフロントエンドエンジニアとして独立しました。今ではサラリーマン時代の年収を超えて、生活には困らない程度の売り上げを得ることができています。
今回、単価を決める際に重要なポイントをまとめてみましたのでご紹介します。
- エンジニアとして独立する・独立したばかりの人
- 自分の単価が決められず迷っている人
それではいってみましょう。
Index
一度決めた単価を上げることは難しい
独立する際に自分の単価を決めることになると思うのですが、一度決めると単価を上げることが難しいです。
既存のクライアントとは単価の交渉をすることになり、交渉がこじれてしまうと場合によっては受注されなくなってしまうケースもあります。
単価は適当に決めるのではなく、慎重に決めることをお勧めします。後の自分の収入に直結します。
それではどうやって単価を決めていくのでしょうか?
単価を決める際に重要な考え方のポイントは、この2つだと思います。
- 自分とクライアントが納得する理由を見つける
- フリーランスエンジニアの単価の相場を把握する
自分とクライアントが納得する理由を見つける
一つ目のポイントとしては、自分とクライアントの双方が納得する理由で単価を決めることです。
この明確な理由が無いと、なぜその単価にしたのか聞かれたり、単価の値下げ交渉された時に迷いが生じてしまい結果的に損をする形になってしまうかと思います。
例えばメーカーなどでは「原材料費がこれくらいで人件費がこれぐらいだからこの値段です」という理由で値付けすれば、ほとんどの人が納得しますよね。
もし単価交渉の場合でも、クライアント側は単価の交渉をしやすいんじゃないかと思います。
では材料費などの経費がかからないエンジニアリング単価で説得力のある理由としては、どういったものがあるでしょうか?私は次の2点だと考えています。
- 前職の収入
- 個人としての実績・強み
前職の収入を参考にする
前職の収入は、よく転職の際にも参考材料になりますよね。
「前職でいくらだったから次はこれくらい」といったように、前職での収入は自分の価値を決める上で重要な情報になっています。
フリーランスとして働く場合でも、この情報は単価を決める際に役に立ちます。
前職の収入を元に、ちょっと計算してみましょう。12ヶ月、一か月に20日間、1日8時間働いたとして、 時間当たりの単価はいくらぐらいになりますか?
例えば前年度の年収が 500万円だったとします。すると、時間当たりの単価はこんな感じになりますよね。
1年 | ¥5,000,000 |
---|---|
1ヶ月 | ¥416,666(5,000,000 ÷ 12ヶ月) |
1日 | ¥2,0833(416,666 ÷ 20日) |
1時間 | ¥2,604(2,0833 ÷ 8時間) |
こちらの計算からすると、1時間2,604円、1日2,0833円、1ヶ月416,666円の単価をつけないと、前職の収入を超えないことになります。
ではこの単価にすればいいのかというとそうではありません。あくまでこの単価を「最低ライン」とすることをお勧めします。
なぜかと言うと、この単価はあくまで会社で働いているインハウスエンジニアとしての単価例だからです。
お給料は会社内その他の要因が絡んでいます。オフィスの電気代やら家賃やら必要な経費が売り上げから差し引かれた上で、最終的に給料が決まっているからです。
この単価を最低ラインとして、次に説明する「個人としての実績・強み」を踏まえた上で単価を決めていくことをおすすめします。
個人としての実績・強み
個人としての実績・強みと言うと、それまでに個人として仕事を受けていなくてはいけないのか?と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
同じ開発分野で独立をするのであれば、そのスキルや実績、強みなどをそのまま発揮できるはずです。
例えば、
- ウェブサイトの運用経験 5年
- Vue.js、React.jsの開発経験 2年
- アジャイル開発、スクラム開発の経験
など。これだけでもフリーランスでエンジニアリングをする上で十分な武器になると思います。
クライアント側からしてみても、これらの実績や得意分野があるエンジニアならこの価格で納得できる、というように、決定した単価に説得力が生まれると思います。
これで自分が希望する単価が見えてきたら、市場の相場とのギャップを把握することをお勧めします。
フリーランスエンジニアの単価の相場を把握する
二つめのポイントは、フリーランスエンジニアの単価の相場を知ることです。エンジニアリングの単価においても、相場というものがあります。
これらをチェックして自分が決めた単価が見当違いなものになっていないかを確認しておくことをお勧めします。
単価を言語別に調べる
現在(2019年 8月)ですと、プログラミング言語別での年収は次のようになっています。
1位「Python」平均年収 601万
2位「Ruby」平均年収 562万
3位「Java」平均年収552万
4位「C++」平均年収 538万
5位「JavaScript」平均年収536万円
自分の経験や強みを踏まえて、これらの年収情報から自分の単価と比較して決めるのも手です。
フリーランス専門エージェントの無料相談を活用する
フリーランス専門のエージェントに相談するのも一手です。〇〇フリーランス、といったように今は案件を紹介してくれるフリーランス専用エージェントがたくさんあります。
こういったエージェントに相談すると、「あなたの実績と経験からするとこれくらいの案件が紹介できます」といったように実例を踏まえて単価を把握することができます。
こういったエージェントは基本無料で相談しに行けるので、自分の単価と市場とのギャップを把握するのに使わない手はないと思います。
私は独立する際にレバテックフリーランスに登録して相談しに行きました。
エージェントに登録する際、
開発の知識も何もない人に担当されて嫌な思いをするんじゃないかな…
と思ったりしたのですが、担当してくれた方はITリテラシがかなり高い方で、とてもスムーズに会話を進めることができました。
フロントエンドエンジニアの単価例
参考までに私がどうやって単価を決めたのかお話しさせていただきます。
私は前職でフロントエンドエンジニアとして他社に出向していました。
その際の単価は1ヶ月75万円ほどでした。これが高いか安いかはさておき、取引先としての信頼度、個人としての実績と経験、強みなどを総合評価した上で1ヶ月75万円で私というリソースが貸し出された形ですね。
もちろん会社同士の保証や信用、経費なども加味されているので一概に個人の単価とは言い切れません。
ですが単価を決める上で他者を納得させる材料になると思い、こちらの単価を参考にしました。
その上でフリーランス専門のエージェントに相談しに行き、相場を把握した上で最終的に単価を決めました。
私が決めた単価でクライアントに提案すると、高いとも言われるし安いとも言われます。
しかし、正直どのような業界でもこういったやり取りはあると思うので、私は基本的に条件を変えずに単価を下げることは基本的にないです。
ちなみに、私はありがたいことに独立してから現在までほぼ絶えることなく仕事があるような状況です。
まとめ
フリーランスエンジニアが単価を決める際の重要なポイントとして二つをお話ししました。
- 自分とクライアントが納得する理由を見つける
- フリーランスエンジニアの単価の相場を把握する
もし単価を決める際に悩んでいたら、参考にしてみてください。