私は小学校低学年から高校卒業間際くらいまで、約10年間ボーイスカウトをやっていました。
今回の記事では、ボーイスカウトに関するよくある疑問について自分の体験を交えてお答えしていこうと思います。
- ボーイスカウトがどんなことをしてるのが気になる人
- 子供をボーイスカウトに入れようか迷っているお父さんお母さん
それではいってみましょう。
Index
ボーイスカウトとは
ボーイスカウトをざっくり説明すると、イギリスのロバート・ベーデンパウエルさんという方が考案した子ども向けの教育プログラムのようなものです。
現在ではなんと世界約170国で、4,000万人のボーイスカウトがいるようです。
世界中における野球の競技人口が3500万人(wikipediaより引用)なので、世界的に見ると野球の競技人口よりもボーイスカウトの方が多いんですね。驚き。
日本はというと1908年に日本にボーイスカウト運動が伝わり、1922年にボーイスカウト国際事務局に正式加盟しています。
現在は「ボーイスカウト日本連盟」という公益財団法人が運営しています。日本でのボーイスカウト人口は約10万人いるとされています。
ボーイスカウトの基本的な考えは、のちに説明するボーイスカウトの理念や考え方の元で、野遊び、キャンプ、慈善活動などの色々な遊びや野外教育を通して、子どもたちに自立心や協調性、リーダーシップを養ってもらおうというものです。
活動は地区ごとに分かれており、その中でもボーイスカウト第XXX団(数字が入る)といった形に「団」というカタマリで構成されています。「ボーイスカウト〇〇地区第XXX団」のように所属を表します。
世界的に普及している教育プログラムの元、子どもたちに様々な体験を提供する団体
活動は地区ごとに分かれていて、主に野遊び、キャンプ、慈善活動などをしてる
ボーイスカウトって具体的に何をするの?
先にも説明した通り、ボーイスカウトの主な活動は野遊び、キャンプ、慈善活動になります。その中で生活に役立つ知識やノウハウ、考え方などを養います。
ボーイスカウトで学ぶスキル
ボーイスカウトで学べることは非常に幅が広いです。例えば、
- なわ結び
- 地図とコンパスを使った歩き方
- 応急処置などの救急方法
- 手旗信号やモールス信号
- キャンプ・アウトドアの基礎
- 野外調理の方法
など。
地図とコンパスを持ってみんなで山登りに行ったり(大人同伴)、野営地でみんなでテントを立てて自炊したり。そういった活動の中で、本と先輩の教えのもと、スキルを付けていきます。
スマートフォンが普及したこのご時世、「グーグルマップでいいじゃん!」とか「モールス信号!?LINE でいいじゃん!」なんて思うかもしれませんが。笑
私が思うのは、着目すべきなのはそこではなく、体験を通して体系的に物事を学ぶスキルをここで養うことができるというところです。
進級課目とスキルバッチ
ボーイスカウトでは各部門において「級」と呼ばれる進級段階が設定されています。
例えば「ボーイスカウト部門」では初級スカウト、2級スカウト、1級スカウト、菊スカウトとあり、それぞれ進級するにあたって試験や面接があり、合格することによってバッジがもらえます。
そのバッチはボーイスカウトの制服の胸元につけることができ、級が上がるごとに前のバッチを外して新しいバッチを付けていきます。
進級試験の内容は進級科目によって違うのですが、ボーイスカウト部門の進級条件をみるとなかなかいかつい内容です。
私はボーイスカウト部門では「菊スカウト章」を取る一歩手前ぐらいのところで断念してしまったのですが、 救急法の研修合宿に行ったり、「報告書」と呼ばれるレポートをたくさん書いたりとなかなか忙しかった記憶があります。
中学生の頃はその関係でレポートをたくさん書いていたので、大学や社会に出てレポートや報告書をささっと書けるようになっていたのは、ボーイスカウトのおかげだったのかなーなんて思ったりもします。
また、進級とは別にカテゴリごとに分かれた 技能章というものがあります。例えば救急法を学び試験を受けてマスターしたら救急法の技能章を取得することができ、取得した技能章のバッジを制服の方につけることができます。
技能章はたくさんの種類があって、たくさん学んで技能章を得るほど肩のバッチが増えていきます。 これがゲームを攻略している感じがしてとても楽しいのです。どんな感じなのかまとめてある資料はこちら。
ちなみに技能章をはじめ制服にバッチをたくさん縫い付けることになるので、子供にボーイスカウトをやらせようと考えているお母さんは今のうちにお裁縫ができるようになっておきましょう。笑
ボーイスカウトって何の目的でやってるの?
ボーイスカウト団体としての目的と、私が何故ボーイスカウトをやっていたかについて書きます。
団体としての目的
世界スカウト機構憲章に基づき、日本におけるボーイスカウト運動を普及し、その運動を通じて青少年の優れた人格を形成し、かつ国際友愛精神の増進を図り、青少年の健全育成に寄与することを目的とする。
団体概要 | ボーイスカウト日本連盟 より引用
基本的には子どもの教育ため、とされています。
日本では公益財団法人となっています。公益財団法人としての事業内容で認められているのは「学術、技芸、慈善その他の公益に関する事業であって不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」と規定されています。
そのため利潤目的の団体というわけではなく、教育を通して社会に貢献することを目的にしているといえるでしょう。公式HPでは決算報告や年度予算もしっかり掲載されています。
私が10年以上所属していた目的と理由
私は小学校低学年から高校生くらいまで所属していたのですが、私がボーイスカウトに所属し続けていた理由は、単純に友達と野遊びなど色々な経験ができるのが楽しかったからです。
私にとってボーイスカウトは「友達と遊びに行く」感覚でした。
両親からは「楽しくなければいつ辞めてもいいよ」と甘チャンなことを言われていたのですが、普通に楽しかったので10年以上やっていましたね。
ボーイスカウトは何歳から入れる?
ボーイスカウトは小学校1年生4月から入ることができます。小学校に入る直前の1月から仮入隊もできるようです。
ボーイスカウトでは年齢に応じて5つの部門があり、基本的に部門ごとで活動します。
部門はビーバースカウト、カブスカウト、ボーイスカウト、ベンチャースカウト、ローバースカウトがあります。
ビーバースカウト | 小学校1年生4月~ |
---|---|
カブスカウト | 小学校3年生4月~ |
ボーイスカウト | 小学校6年生4月~ |
ベンチャースカウト | 中学校3年生9月~ |
ローバースカウト | 18歳~25歳 |
私は小学校低学年でビーバースカウトとして入隊しました。私が所属した活動拠点では同じくらいの年齢の子がたくさんいたので、一緒に遊べる友達がたくさんできて嬉しかった記憶があります。
大学生くらいになるとローバースカウトとなり、その隊の中の指導者になれます。指導者といってもそんなに堅苦しいものではなく、今までに自分が教わってきたことを今度は子供たちに教えたり、子供達の活動を見守ったり、時に一緒に遊んだりといった感じです。
私が小さい頃にいた先輩のローバースカウトの兄ちゃんがとても優しくて、めちゃくちゃ慕っていた記憶があります。笑
ローバースカウトくらいになると私生活も忙しくなるので、そこで辞めてしまう人も多いです。私も私の周りも大学受験で忙しくなってボーイスカウトを辞めてしまいました。
ボーイスカウトって女子でもできるの?
ボーイスカウトは女子でもできます。
えっボーイじゃないじゃん!ってなりますけど、私が所属していた団では「ガールスカウト」と呼ばれていました。
日本では当初男子のみしかなれなかったようですが、1995(平成7)年以降から女子もボーイスカウトに入れるようになったようです。
男女比としては女の子は少なめでしたが、それでも女の子だから珍しいといった感じではなかったです。
ボーイスカウトって怪しい?
これよく言われるんですよ!!!
別に怪しくないですよ!!! 笑
「よく軍隊みたいな制服着て、大人に連れられてたくさんの子供達が列になって歩いてるよねアヤシイ」とか、
「なんか宗教の匂いを感じる」とか。
いや別に言わせておけばいいんですけど。。少なくとも所属していた私と私の両親は「あれ?なんか怪しいぞ?」と感じたことはなく、所属していた団にも特にやばい人はいなかったですね。
ボーイスカウトと宗教って関係あるの?
巷でよく噂になっているっぽいのでせっかくなのでボーイスカウトと宗教の関係性を調べてみました。結論から言うと、宗教に無理やり入らされたりすることはまずないと思います。
ちなみに私は無宗教です。
宗教章というものが存在する
ボーイスカウトにはある程度学んだことに対してのラベリングとして「章」というものがあり、〇〇章という形で技能や知識を取得したら制服にワッペンのようなものをつけます。
その中で宗教章というものがあります。
ボーイスカウトではこれが存在する理由を「それぞれ明確な信仰を持つことを奨励しており、明確な信仰を持つように導く一つの方法として、宗教章を設けている」と説明しています。
ざっくり要約すると、「世の中には色々な宗教がありそれらを学ぶことで宗教というジャンルもちゃんと尊重しましょう」というような内容になると思います。
世界的に普及している教育プログラムだからこそこういった内容も網羅しているのだと思います。
隼スカウト章までいくと宗教について学ぶ機会はある
ボーイスカウト活動をしていると隼スカウト章という章を取得することがあるのですが、取得条件として「信仰」という課目があります。しかし課題の内容としては、
- 自分の所属または興味を持った教宗派の歴史と教えを知る。
- 自分の所属または興味を持った教宗派の宗教行事について知る。
といったように、あくまで知識として持っておこうといったところに留まっています。
世界共通のボーイスカウトの教えとして、「世界の人と仲良くしていきましょうね」という教えもあるので、そのためにも知っておいた方がいいよと言ったところでしょうか。
ちなみに私が所属する団体では宗教色のある人はおらず、宗教に無理やり加入させられるようなこともありませんでした。というか話にも出ませんでした。
ボーイスカウトの社会的な評価
ボーイスカウトではある程度熱心に活動を行うことで社会的な評価が得ることができます。
例えばボーイスカウト活動において「菊章」という章を取ると、その地域の市長や県知事などが激励のご挨拶で会いにきてくれちゃいます。
先ほどボーイスカウト千葉地区の菊章(ボーイスカウトの最高位)を受章したスカウトの表敬訪問。
毎年表敬訪問を受けており、スカウト活動のやり甲斐(世界ジャンボリーに参加して各国のスカウトとの交流できる等)を聞き、改めて意義ある活動だと感じます。 pic.twitter.com/D8Un2qGKmg— 熊谷俊人(千葉市長) (@kumagai_chiba) August 21, 2019
ボーイスカウトの活動は受験にも影響がある
その他、一定以上の活動をしていると高校受験や大学受験などの推薦枠において有利に働いたりします。
この辺りは地域や学校によって差が出てきそうなので詳しいところはご自身の環境で調べてみてください。
私が所属している高校では、内申書に「ボーイスカウト菊章受賞」と書けるよと言われました。もっとも、取得する寸前で断念してしまったんですけどね。。
ボーイスカウトって気持ち悪い?
Google の検索で「ボーイスカウト」と検索すると、検索ワードの候補に「気持ち悪い」と上がってきます。おい…! 笑
どの辺が気持ち悪いのかなーと考えたのですが、独特な制服とルールで集まってる集団だから?ということでしょうか。
ちなみに制服は電車などに乗っていると最初は恥ずかしいですが、慣れます。野球部が試合後にユニフォームで電車に乗る感覚と同じだと思います。笑
ボーイスカウトにはルールがある
ボーイスカウトには理念、掟、敬礼、モットーというものがあります。会社みたいですね。
ボーイスカウトでは活動の幅が広いので、それぞれがこういった軸になる考え方をしっかり持つことで、行動の一つ一つに意味を持たせることができるのだと思います。
私は大人になったボーイスカウトのモットーである「備えよ常に」というフレーズが染み付いていて、今でもこの考え方は役に立っているなと感じています。
ただこういったところがどこか軍隊や宗教じみていると思われる要因になってしまっているのですかね?
学校でイジられたりイジメられる?
私はボーイスカウト10年ほどやっており学校でも公言していましたが、特にそれがきっかけでいじめられることはなかったです。
私の周りでも同様に「お前ボーイスカウトやってんのかよー」なんていじめられるボーイスカウトの友達はいなかったと思います。
むしろ興味を持たれることが多かったので話のネタにはなりますけどね。
ボーイスカウトがボランティア活動してるのって何の意味があるの?
よく駅前などではボーイスカウトが募金活動を行っていたりしますよね。
ボーイスカウトの教育方針の中で、慈善活動や奉仕活動を通して社会性を養うという考え方があるので、ボーイスカウトの活動内容にはボランティア活動が含まれます。
東日本大震災などでもボーイスカウトが活躍していたようです。
私も小学生くらいの頃に駅前で募金活動をした覚えがあります。
その時は恥ずかしいなとかちょっとめんどくさいなとか思った記憶がありますが、今となっては地域や社会へ貢献することの大切さを幼いながらに少なからず学べた気がしています。
ボーイスカウトってどんな人がやってるの?
ボーイスカウト経験者には実は有名人がたくさんいます。そして何故だか宇宙飛行士が多いんです。
ボーイスカウト経験のある有名人
- ケネディ(元アメリカ大統領)
- ビル・ゲイツ(マイクロソフト共同創業者兼元会長兼顧問)
- マイケル・ジョーダン(元NBAバスケットボール選手)
- ポール・マッカートニー(ミュージシャン)
- スティーブン・スピルバーグ(映画監督)
- 麻生太郎(元総理大臣)
- 野口聡一(宇宙飛行士)
- 宮川大輔(お笑いタレント)
そして前述の通り何故か宇宙飛行士に多く、例えばアポロ計画で月に降り立った12人のうち11人がボーイスカウト経験者なんだそうです。日本の宇宙飛行士では野口聡一さんもボーイスカウト経験者らしいです。
ボーイスカウトの中で宇宙に関することを学んだ記憶はないんですけどね。。笑
また、お笑い芸人の中でもボーイスカウト経験者が多く、「アメトーーーク」では「ボーイスカウト芸人」という企画もやっていましたね。
ちなみに私はというと、個人事業主として Web エンジニアをしています。
https://n-asterisk.net/1414/836/freelance-careers/
またこれは余談ですが、「クレヨンしんちゃん」の野原しんのすけも物語内でビーバースカウトに仮入隊した経験があるらしいです。笑
ボーイスカウトは習い事としておすすめできるか
10年ボーイスカウトをやっていた経験者の私からすると、 とてもお勧めです。
理由は活動の中で社会で将来役に立つヒューマンスキルを養うことができるからです。
ボーイスカウトで学ぶヒューマンスキル
私はボーイスカウトではこれらのことを養うことができたと思っています。
- 自主性(自分で考えて行動する)
- 協調性(友達とうまく関係を築く)
- 社会性(地域に貢献する意味を知る)
自発的に考えて行動したり、周りの意見を尊重して行動したり、社会とのつながりを持ちながら活動したり。スポーツや語学とまた違ったスキルを養うことができます。
私は特に協調性が養える場所だなと感じました。ボーイスカウト活動の中で仲間とキャンプしたり山登りをしたり喧嘩したり、やらかして隊長に怒られたり。笑
年上から年下まで幅広い人間関係を築けるので、特に一人っ子のお子さんなんかにはおすすめの習いごとなんじゃないかなと思います。
ボーイスカウトっていくらかかるの?費用は?
基本的に登録費や活動するためのお金を所属する団に納めることになります。
所属する地域や団にもよると思うのですが、年に大体4〜5万円程度かと思います。例えばこちらの団では¥3,700 / 月 くらいのようですね。ちなみに私の両親に聞いてみたところ、
と言われました。かーちゃんありがとう。
その他にボーイスカウトでかかるお金は、
- 交通費
- 制服・道具の購入
といったところでしょうか。その中でも制服や道具類の購入は意外と高くつきます。私は母親と高島屋にボーイスカウト用品の買い物に行った時
と言われたのを未だに覚えています。笑
習い事に道具はつきものですが、購入費用についても事前にしっかり調べておくことをお勧めします。
ちなみに私の所属していた団ではテントはレンタルだったので個人では購入していません。寝袋や食器類など個人で使うものに関しては購入していた記憶があります。
まとめ
ボーイスカウトの実態について、よくある疑問に答える形でまとめてみました。
ボーイスカウトでどんなことをしているか、ざっくりとでも分かって頂けたでしょうか?ミニマムにまとめるとこんな感じです。
- ボーイスカウトはイギリス発祥の、世界的に普及している子ども向け教育活動団体
- ボーイスカウトの主な活動は野遊び、キャンプ、慈善活動など
- ボーイスカウトは習いごとにとてもおすすめ
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ではでは。